残業時間の平均値は正しいのか-就活・転職の際に知っておくべき残業時間の計算事情を人事の中の人が解説-

会社・仕事

この記事の概要

  • (特にいわゆる総合職として)就活中の方、転職活動中の方に向けて
  • 残業時間が少ない方がいいな〜と思っている方もぜひ
  • 記事や求人情報に載っている数字はアテにしてはいけない
  • 実態と平均残業時間がズレる要因について、人事部勤務の筆者が解説
    (総合職の多くは計算に入らないので、残業時間は実際より少なく出がち)

Hello!! リカルドです。

今回は「公開されている残業時間はアテにならない」というテーマです。

現在就職活動中の学生の方や転職活動中の方の中には「残業は少ないところがいいな」
ということでWeb記事や企業の求人情報などで公開されている「平均残業時間」などを気にされている方も多いのではないでしょうか。

例えば少し前の記事ですが、このようなWEB記事がありました。
(東洋経済オンライン「「給料が高いのに残業が少ない」209社ランキング」)

たしかに残業が少なくて給料がたくさんもらえたら良いですよね。

ただ、こうした数字にはトリックがあるということも理解しておいた方が良いです。
特に、いわゆる「総合職」としての業務をイメージしている人は
気をつけた方が良いと思います。

そのトリックとはずばり、
平均残業時間は実態とはズレている、往々にして下振れしやすいということです。

これは残業時間の管理する上で仕方ない側面もありますが、
捏造や偽造の数字ではないものの、実態を正しく反映したものではないということは理解しておいたほうが良いです。

今回は、どのような点でズレが出てくるのか、
企業の人事部に勤務している筆者の実務経験を踏まえて解説します。

※ちなみに「残業」や「残業時間」は一般的な呼ばれ方で
「時間外労働」が法律上の正式名称です。

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平均残業時間を実態から押し下げる要因

残業時間のカウント対象になる人とならない人がいる

まず、従業員の中には残業時間のカウント対象になる人、ならない人がいます
これは、勤務形態、働き方で変わってきます。

ざっくりですが、残業管理の対象・対象外という観点で分類すると、
下図のように分類することができます。

呼称は会社によって違ったり、「一般職」の人が管理職になることもあるかもしれませんが、
総合職と一般職の違いというよりは、給与形態の違いがキーです。

以下の図で、平均残業時間を計算する時の母数になるのは、オレンジの人たち、
一般職と総合職の一般的な給与形態で仕事している人たちです。

平たくいえば、「残業した分だけ残業代がでる給与形態で働いている人たち」という括りです。

総合職の中でも部長や課長などの「管理職」は労働法上、残業などの管理対象にはなりません

したがって、当然ながら管理職の社員は残業時間のカウント対象外なので、
この人達が定時時間外にいくら仕事をしていたとしても
法律的なカウント上、残業時間の計上はゼロになります。
そもそも平均残業時間を計算するときの母数には入りません。

同様に裁量労働で仕事をしている人たちも残業時間の管理対象になりません
(ちなみに筆者も裁量労働で仕事をしています。
筆者の場合、裁量労働制で何時間の残業が得・損の分岐点かを試算しました。記事はこちら)

ですので、平均残業時間を計算するといっても、
そもそもこの計算対象になる社員がそんなに多くないということになります。

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平均残業時間の計算対象でも、残業のバラつきは大きい

ということで、平均残業時間の計算するときに母数に入る人たちは、
総合職の中でも一部の社員と、一般職の社員ということになります。

ここで、会社で残業が多い人たちを考えてみます。

それは大抵の場合、総合職の社員である場合がほとんどではないでしょうか。
一般職の従業員も残業が絶対にゼロかというとそうでもないかもしれませんが、
ほとんどの場合、会社の中での残業時間の分布としては
「残業する総合職と、比較的残業がない(少ない)一般職」という構図は成り立つと思います。

(どちらが良いとか悪いとかではなく、担当業務や会社での立ち位置として
そういう傾向がある、という話です)

ここまででだいたいお分かりの方も多いと思いますが、
会社の平均残業時間を計算する内部事情として、
多く残業している総合職の平均残業時間が
一般職のゼロ(またはゼロに近い)平均残業時間で薄められた結果が
平均残業時間として出力される

ということになります。

まとめ

ここまで、会社が公表している平均残業時間は、
多く残業している総合職の残業時間が残業の少ない一般職社員の残業時間で下に調整されている
結果だということを解説してきました。

もちろん会社によってはこの辺りの業務配分が違っていたりして、
必ずしもここで書いたような平均時間の計算が成り立たない場合もありますし、
そもそも全員の残業が本当に少ない場合もあります。

最終的にはそこの会社の社員に話を聞くのが一番確実な方法ですが、
参考としてこのような事情があるよ、ということを知っておくのは良いと思います。

特に総合職的なキャリアを想定して就活、転職活動中の方は、
公表されている残業時間をそのまま鵜呑みにするのではなく、
気になるようであれば社員に直接話をきいて裏取りするのがオススメです。

今回の情報が皆さんの参考になれば嬉しいです。
また就活、転職活動中の方は、成功を祈っています。

それでは! Adiós!!

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