この記事の概要
- 2022年に米国で投資妙味があるセクターに投資できるセクターETFをピックアップ
- セクターETFごとの情報を整理
こんにちは、リカルドです。
今回の記事は以下の記事の番外編ということで、本編では紹介しきれなかったバリュー株投資のETFについて書きたいと思います。
こちらの記事では、このような内容についてまとめていますのでぜひご覧ください。
- 2022年に米国株投資はバリュー株が優勢になると見られる背景
- 米国のバリュー株に幅広く分散投資ができるETFを4つピックアップ
- 4つのETFに関して組入銘柄などの情報を整理、比較検討
それでは早速いきましょう。
※本記事は特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。
投資判断は自己責任でお願いします。
番外編:高配当ETF、セクターETF
本編では取り上げませんでしたが、バリュー株投資という視点では、次のようなETFを吟味してみるのも面白いかもしれません。
- 高配当ETF
バリュー株が多く組み入れられているため、結果としてバリュー投資のような形になる。 - セクターETF
まんべんなくバリュー株に投資するよりは、特に2022年に投資妙味があるようなセクターに絞って投資する。
もちろん該当セクターの個別銘柄を買い集めるのもありだが、個別銘柄より分散を利かせるという観点でETF活用の余地はあり。
それぞれ、順番に個別のETFを挙げながら情報を整理していきます。
高配当ETF
代表的な高配当ETF
- バンガード高配当ETF (VYM)
- アイシェアーズ コア 高配当 ETF (HDV)
ずばりバリュー株ではありませんが、高配当ETFに組み入れられている銘柄には米国の大型株で比較的業績も安定している企業が多く、今回取り上げたバリューETFの上位を占める銘柄も多いです。
割合の差はあれど銘柄はかなり重複していることから、バリュー株投資の一手段として高配当ETFを活用するのも良いかもしれません。
配当狙いでこれらの高配当ETFを保有している個人投資家の方も多いのではないかと思います。
こういったETFを買い増しても、PFにおけるバリュー株の割合を増やすことはできるのではないでしょうか。
高配当ETFの中身をチェック
VYM | HDV | |
株価 | $114.55 | $102.83 |
AUM($) | 43,355.6M | 7,543.2M |
組入銘柄数 | 411 | 77 |
経費率 | 0.06% | 0.08% |
直近1年配当金/株 | $2.97 | $3.38 |
配当利回り | 2.69% | 3.41% |
↑ ETFの基本情報です。
↓ 組入銘柄の上位10銘柄です。
保有銘柄 | VYM | HDV |
1 | JPモルガンチェース(3.55%) | エクソンモービル(8.13%) |
2 | ホームデポ(3.21%) | ジョンソン&ジョンソン(6.25%) |
3 | ジョンソン&ジョンソン(3.09%) | ベライゾンコミュニケーションズ(5.90%) |
4 | P&G(2.65%) | シェブロン(5.60%) |
5 | バンクオブアメリカ(2.48%) | アッヴィ−(5.47%) |
6 | ファイザー(2.26%) | ファイザー(5.17%) |
7 | エクソンモービル(1.91%) | P&G(4.84%) |
8 | シスコ(1.74%) | フィリップモリス(4.45%) |
9 | コムキャスト(1.72%) | コカコーラ(3.77%) |
10 | ブロードコム(1.66%) | メルク(3.71%) |
(各種情報はETF Databaseより。2022年1月6日時点)
VYMのセクター別割合です
Finance(金融)、Helth Technology(医薬系)、Consumer Non-Durable(一般消費財)がトップ3です。
この辺りのセクター配分は本編でピックアップしたバリュー系ETFと似ていますね。
HDVのセクター割合はこんな感じ
医薬が25%、ついで一般消費財、エネルギーの順番で、ここはこれまでのバリュー系ETFやVYMとはかなり異なるPFになっています。
(ETF Databaseから引用)
セクターETF
セクターETF:旅行関連銘柄、エネルギーセクター
バリュー株の中でも特に旅行関連やエネルギーセクターが注目されています。
- インフレが進んでおり、特に原油高が顕著。原油価格の上昇で恩恵を受ける石油関連銘柄が投資対象として注目されている。
- 航空会社、ホテルなどの旅行関連銘柄が、コロナ禍という一時的要因により株価が下がっている。
(企業価値そのものが毀損したわけではないが先行き不安から株価が下がった=割安感がある)
コロナの収束も見通しが出てきており、業績もコロナ前の水準に戻るのという予測がたち、投資先として注目されている。
エネルギー、旅行関連を投資対象とする主なETFの一例として以下のものがあります。
- エネルギーセクター
- バンガード エネルギー ETF (VDE)
- エネルギー セレクトセクター SPDR ファンド (XLE)
- SPDR S&P オイル&ガス 探鉱生産 ETF (XOP)
- 旅行関連銘柄
- US Global ジェッツ ETF (JETS)
- Defiance ホテル エアライン クルーズ ETF (CRUZ)
これらのETFを活用することで、2022年に投資妙味がある分野として注目されているセクターをピンポイントで狙いにいくことができます。
ETFの中身をチェック〜エネルギーセクター〜
エネルギーセクターの3つのETF、VDE,XLE,XOPの構成銘柄を見てみましょう。
保有銘柄 | VDE | XLE | XOP |
1 | エクソンモービル(20.29%) | エクソンモービル(23.23%) | ヴァレロエナジー(2.50%) |
2 | シェブロン(17.48%) | シェブロン(20.80%) | PBFエナジー(2.49%) |
3 | コノコフィリップス(7.52%) | EOG リソーシズ(4.84%) | フィリップス66(2.44%) |
4 | EOGリソーシズ(4.07%) | シュルンベルガーMV(4.56%) | デボンエナジー(2.43%) |
5 | パイオニアナチュラルリソーシズ(3.31%) | コノコフィリップス(4.42%) | マラソンペトロリウム(2.43%) |
(各種情報はETF Databaseより。2022年1月6日時点)
VDE、XLEはどちらも石油・ガスの探査から採掘、精製までの上〜中流の企業を対象にしたETFで、ほとんど組入銘柄の構成は同じです。
また、エクソン・モービル(XOM)、シェブロン(CVX)の2社でかなりの割合を占めていますのでこのあたりの個別株を買うのでも良いと思います。
これらの企業は配当利回りも良いので、高配当狙いで保有するという選択肢もありでしょう。
XOPは石油・ガスの探査・採掘に対象企業絞ったETFであり、VDEやXLEとは若干ポートフォリオ構成が異なります。
ただ、XOPは国内の証券会社(SBI、楽天、マネックス)では取り扱いが確認できませんでした。
石油・ガス採掘、上流に絞りたい場合はこの辺りの銘柄を個別に買う必要があります。
(上流の企業ほど、原油価格上昇の恩恵を享受できます。)
ETFの中身をチェック〜旅行関連銘柄〜
次に旅行関連のETF、JETSとCRUZです。
構成銘柄のトップ10を見てみましょう。
保有銘柄 | JETS | CRUZ |
1 | デルタ航空(10.27%) | マリオット(8.03%) |
2 | ユナイテッド航空(10.24%) | ヒルトン(7.52%) |
3 | アメリカン航空(10.12%) | カーニバル(6.50%) |
4 | サウスウエスト航空(9.43%) | デルタ航空(6.42%) |
5 | アラスカ航空(3.17%) | ロイヤルカリビアン(5.90%) |
6 | ジェットブルー航空(3.01%) | サウスウエスト航空(5.39%) |
7 | サンカントリー航空(3.00%) | ライアンエアー(4.51%) |
8 | スピリット航空(2.92%) | ユナイテッド航空(3.65%) |
9 | エア・カナダ(2.90%) | アメリカン航空(3.01%) |
10 | スカイウエスト航空(2.89%) | ノルウェージャンクルーズ(2.93%) |
(各種情報はETF Databaseより。2022年1月6日時点)
JETSはその名の通り航空株のETFなので、トップ10は全て航空会社、全体52銘柄の構成を見てもほとんどが航空会社です。
(一部、ExpediaやBookingなどの旅行会社も含まれています。)
CRUZはティッカーは船っぽいですが、ホテル・航空会社・クルーズ船が組み入れられています(全58銘柄)。
組入銘柄トップ15銘柄の内訳を計算してみました。
ホテル :24.91%
航空 :24.96%
クルーズ:15.33%
なお、残念ながらJETS, CRUZも国内の証券会社(SBI、楽天、マネックス)では取り扱いを確認できませんでした。
旅行関連銘柄を狙いにいく際は、これらのETFに組み入れられている銘柄を参考に、個別株を自身で買い集めていく必要があります。
ホテル、航空会社、クルーズ船など旅行関連銘柄をバランス良く持ちたい際にはCRUZを参考にするほうが良いでしょう。
筆者も旅行関連銘柄への投資を検討中のため、CRUZの構成比を参考に、個別銘柄の構成比率を考えることにします。
以上、今回はバリュー株投資のETF、番外編として高配当ETFとセクターETFについて整理しました。
ETFを活用することで投資妙味があるセクターにまとめて投資できますし、ETFの構成銘柄比率はセクターを狙って個別銘柄に投資する際の参考にもなると思いますので、上手く活用して投資していきたいと思います。
それでは今回はここまで。
本編から番外編まで、ありがとうございました。
リカルド
都内在住ギリ20代の会社員。社会人1年目、ほぼ貯蓄ゼロから家計管理を始め、5年目で1,000万円の資産形成に成功。学び、資産形成の過程で気づいたことを自分なりの視点で考察して発信します。資産形成を頑張る皆さんと経験や疑問、考える視点を共有したい。自称ガジェットオタ歴10年以上。好きなものはガジェットと旅行(海外18カ国、国内43都道府県)、サッカー。
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