3月18日にSBI証券からこのようなニュースリリースがありました。
【重要】買付手数料無料米国ETFの入れ替えに伴う一部銘柄の注文、米国リアルタイム株価への対応について
SBI証券では従来から一部の米国ETFを買付手数料無料で買うことができましたが、今回はこの対象となる銘柄が入替えされるとのこと。
内容を詳しく見ていくと共に、留意事項と、最後に筆者の個人的な感想を述べたいと思います。
Let’s go👊
米国ETFの買付手数料無料となる銘柄が一部入替え
今回の概要は、これまで9銘柄だった買付手数料無料の対象銘柄に入替えが生じるというもの。
具体的には、4月1日付けで6銘柄が追加され、5銘柄が除外。
変更後は10銘柄が手数料無料で買付できるようになります。
なお、この手数料無料はスポットでの購入も定期買付もどちらも適用されるとのこと(このルールは従来から変更なし)
まずは4月1日〜適用となる変更後の対象10銘柄を見ていきましょう。
対象となる銘柄に、超簡単ですが銘柄の解説をつけました。
黄色に塗ってあるGLDM以下の6銘柄が今回、4月1日から新たに追加となる銘柄です。
ティッカー | 銘柄 | 概要 | 経費率 |
VT | バンガード トータル ワールド ストックETF | 全世界の株式に分散投資 | 0.07% |
VTI | バンガード トータルストックマーケットETF | 米国に上場するほぼ株式ほぼ全銘柄に分散投資 | 0.03% |
VOO | バンガード S&P 500 ETF | 米国 S&P500種指数に連動 | 0.03% |
EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | 400を超えるインドの企業に分散投資 | 0.09% |
GLDM | SPDRゴールドミニシェアーズトラスト | ゴールド価格に連動 | 0.10% |
QQQ | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF | NASDAQ100指数に連動。米国ハイテク系企業が多い | 0.20% |
SPYD | SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF | S&P500採用銘柄から高配当の80銘柄に投資 | 0.07% |
AGG | iシェアーズ コア 米国総合債券市場ETF | 米国の優良債券に広く分散投資。国債や社債など。 | 0.04% |
VGT | バンガード米国情報技術セクターETF | 米国の情報技術セクターに投資。 | 0.10% |
IYR | iシェアーズ 米国不動産 ETF | 米国の不動産セクターに投資。 | 0.41% |
(SBI証券HPを元に筆者作成)
特にQQQやSPYDなど個人投資家にも人気のあるETFが新たに加わっていますので、今回の追加で恩恵を受ける個人投資家は多いのではないでしょうか。
一方で4月1日以降、この対象から除外される5銘柄はこちら。
(出典:SBI証券HP)
IVVとSPYはインデックス投資といえば、の代表的な銘柄ですが、投資対象はVOOと同じですので重複が解消されたと言えるでしょう。
純資産総額や上場してからの歴史はSPYが一番ですが、経費率の低さを考えるとVOOが今回残ったのは妥当かもしれません。
実際、SBI証券での人気ランキングはS&P500種指数連動のETFではVOOがトップですので、これを反映したと思われます。
リアルタイム株価サービスを使っている人は要注意
今回の変更に伴って、新しく対象となった6銘柄をこれまで買い付けていた人は注意が必要です。
それは「リアルタイム株価サービス」の条件適用からこの6銘柄が外れるからです。
「リアルタイム株価サービス」とはSBIの米国株アプリで表示される株価の情報が遅れなくリアルタイムで表示されるようになるサービスです(通常は15分遅れた株価が表示される)。
このサービスは通常300円/月の申し込みが必要なのですが、特定条件を満たすと無料で使えます。
この「特定条件」の1つが米国株/ETFを売買することなのですが、買付手数料無料サービスの対象銘柄を買ってもノーカウント、という規定が存在します。
今回新たにQQQやSPYDなど6銘柄が買付手数料無料となるため、これまでこれらの銘柄を買付けすることで無料条件を満たしていた場合、4月以降リアルタイム株価反映のサービスが適用除外となります。(正しくは最後に買付手数料無料で約定した日の32日後から)
ですので、
・15分遅れの株価を見るので甘んじる
・他の銘柄を売買する
・300円/月の課金する
のいずれかの選択になります。
定期買付で売買した分は無料サービスの条件にはカウントされないので、もともと定期買付をしていた人はあまり気にしなくて良いと思います。
リアルタイム株価サービスを無料で使っていた人は、4月1日以降、無料条件を満たせなくなる場合があるので気をつけましょう。
とはいえ月300円を無料にするためだけに何か売買するのは本末転倒ですし、他のチャートアプリで見ればなんとかなるでしょうから、そこまで気にしすぎなくても良いと思います。
まとめ
今回の買付手数料無料の対象銘柄入替え、個人投資家にも人気の高い銘柄を新たに対象にすることで、さらなる顧客獲得へ動いたなという印象です。
投資家目線でも、これまではS&P500インデックスへ投資するETFが3銘柄入っていたのが1銘柄に整理される一方で、GLDMやAGGといった株式以外へ投資できるETFも加わったことでバリエーションが拡充されたと思います。
例えばVT(株式)、AGG(債券)、GLDM(ゴールド)を選択することで3資産に広く分散投資させるポートフォリオを手数料無料で買い付けることができるようになります。
さらにこれらのETFは経費率も低水準のため、極めて低コストでこうしたポートフォリオでの積み立て投資ができるようになりました。
これは大変良心的ですよね。
ただ、個人的にこれを入れてほしかった!というのがVYM(バンガード米国高配当株式ETF)。
筆者も保有しており、定期的に買い増しを続けているETFでもあるので個人の感情モリモリですが、SPYDが入ってVYMが入らなかったのは残念…
SBI証券の人気保有銘柄、定期買付人気銘柄のどちらにもVYMはトップ5ランクインしていたので是非とも対象にしてほしかったのですが、一方のSPYDは両ランキングで人気1位でした。
高配当系ということでキャラかぶりしてしまいますし、となるとより人気の高いSPYDが選ばれるのも納得ではあります。
(配当利回りはVYMよりSPYDの方が高いのでこういった面が人気の理由なのだと思います。)
個人的にはSPYDよりVYMの方が長期の投資対象として安心して持てるETFだと思っているのですが、こればかりは人気投票の面もあるので仕方ありません笑
(あるかはわかりませんが)次回の対象銘柄入替えに期待したいところです。
なにはともあれ、SBI証券は今夏にも米国株で信用取引ができるようになるといった情報もあるなど、SBI証券をメインに投資している筆者としてはこうした米国株投資のサービスが拡充されていくのは大変嬉しいです。
そのうち米国株も全面的に取引手数料が無料になる日も来るか!?という期待を持ちつつ、投資を継続していくことにします。
リカルド
都内在住ギリ20代の会社員。社会人1年目、ほぼ貯蓄ゼロから家計管理を始め、5年目で1,000万円の資産形成に成功。学び、資産形成の過程で気づいたことを自分なりの視点で考察して発信します。資産形成を頑張る皆さんと経験や疑問、考える視点を共有したい。自称ガジェットオタ歴10年以上。好きなものはガジェットと旅行(海外18カ国、国内43都道府県)、サッカー。
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