この記事の3行要約
- 一括投資と分割投資、どちらを取るべきか、気持ち・感情の観点から考えてみる
- 大前提、将来は誰にも予想できないと考えると、一括投資の方が理にかなっているかもしれない
- ただ、怖いものは怖い。であれば分割してもいいじゃない
精神の平静も投資においては重要
Hello! リカルドです。
今回は、「一括投資」と「分割投資」について考えてみました。
手元資金を投資に回す時、特に投資初期に悩みがちなのが
「手元資金を一括で投下するのか、時間をかけて投下していくのか」という問題だと思います。
まとまった現金を一気に株に投資して直後に下落が来たら怖いとか、
積立投資ならドルコスト平均法で購入単価を低く平準化できるとか、
色々なことを考えてしまいますよね。
一括投資と分散投資をパフォーマンスなどの数値シミュレーションなどの結果で論じるのは、
もっと専門知識がある方々がたくさんされていますので、
今回は一括投資と分散投資を、気持ちの面でどう捉えるか、という視点で考えてみたいと思います。
(もちろんですが、何年後にどのくらいの資産が目標か、どのくらいの損失まで許容するか、
などの視点からリスク許容度などもしっかり考えることが資産形成では大事)
気持ちの問題なので「それってあなたの感想ですよね?」と言えばそれまでの話ですが、
投資を続けていくには心の平静も大事だと思うのです。
そんな素朴な気持ちを整理しつつ、
今回は特に数字は使わず、独断と偏見と主観で気持ちで書いていきます。
※時期を分散して資金を投下する投資については「分散投資」や「積立投資」などの呼称も一般的ですが、
今回は「今手元に持っている、ある程度まとまった資金をどのように投下していくか」という観点で、
一括投資との対比、「投下するタイミングを分ける」意味で「分割投資」と書くことにしました。
一括投資と分割投資(積立投資)
まずは一括投資と分割投資について整理です。
主には
・「時間を有効活用できるか」
・「どのような値動きをすると結果的に有利か」
・「メンタル(気持ちの問題)」
という点で整理します。
それぞれ一般的によく言われていることのまとめです。
- 一括投資
- 時間の活用:資産を手元に置かないで投資に回すので、投資効率が良い
- 値動き:上昇し続ける値動きをした場合は分割投資よりもリターンがよくなる
- メンタル:投資直後に下落がくると精神的にキツめ。上がっていけば嬉しい
- 分割投資
- 時間の活用:資金を投下しきるまでの間、手元に資金が滞留することになるので投資効率は劣る。
資金をもったまま投資しない期間は機会損失になるとも言える。 - 値動き:一度下落してから上昇していく値動きでは一括投資よりリターンが高い
- メンタル:下落タイミングが購入単価を引き下げる機会になるので、一括投資よりメンタルには優しい。ただし上昇していくと利益を逃した気分になる。
- 時間の活用:資金を投下しきるまでの間、手元に資金が滞留することになるので投資効率は劣る。
ランダムウォークであるという前提では一括投資の方が確実性は高い?
ここで一括投資と分散投資のメリットについて考えてみます。
その際、前提条件として考えておきたいことは
「株価はランダムウォークする」
ということです。
株価・指数が上がるのか下がるのか、
(長期的には上昇していくとしても)どのような軌跡を描くのかは、不確実。
今後の値動きが一括投資に有利な値動きになるのか、
分割投資に有利な値動きになるのか、
それは分からないということです。
一方で、早く資金を投下すればその分の時間を投資に活用することができる。
これは相場がどう動くのかに関わらず、普遍の事実です。
(「株価が上がるか下がるか」ということではなくて
「時間を活用しているかしないか」または「お金を投資しているか寝かせているか」という視点です。)
逆に言えば手元で資金を持っている期間は「投資をしていない」期間になるため、
その分の時間は投資につかえていないよね、ということ。
これを踏まえて改めて一括投資と分割投資の比較をしてみると、こんな感じでしょうか。
- 一括投資
- 時間活用:時間を無駄にせずに使える⇨これは普遍の事実、確実にこうなる
- 値動き:上昇基調なら有利⇨これはどうなるか分からず不確実
- メンタル:投資直後に下落が来るとキツイ(一方、上がると嬉しい)⇨どちらになるかは分からない。不確実。
- 分割投資
- 時間活用:全額入れきれるまでの時間は機会損失⇨これは普遍の事実、確実にこうなる
- 値動き:下がって上がる値動きだと有利⇨これはどうなるか分からず不確実
- メンタル:下落にショックは緩和できる(一方、上がると悔しい)⇨どちらになるかは分からない。不確実。
これを「確実性」という観点から考えてみるとこのような整理ができます。
- 一括投資をすると、その利点(時間を無駄にせず使える)は確実に享受することができる
- 分割投資をした場合、その利点を享受できるかは不確実
一括投資の利点は普遍の事実として確実に活かすことができるのに対して、
分割投資はそれが吉と出るか凶と出るかは相場次第です。
となると、一括投資の方が「確実にメリットを活かすことができる」
という点では合理的だと考えることができます。
気持ちの問題も大事だと思う
とはいえ、やはり気持ちの問題は捨てがたいわけです。
なぜなら、投資を継続していく上では心の平静は超重要ポイントだと思うからです。
投資で最もパフォーマンスが高いのは亡くなった人と投資したことを忘れた人とも言われるくらいですから、
長期投資では、がちゃがちゃポートフォリオをいじらないことが肝要。
心の平静が保たれていないと、不安にかられて投資銘柄を変えたり、売却したりしてしまいがちです。
だから、自分が心穏やかにいれること、納得して投資できていることが、
ぼったくりファンドにはまらないことと同じくらい重要なことであるのではないでしょうか。
そのためには下落にビクビクせずにいられる程度に投資資金をコントロールする必要がありますが、
手元資金を一括投資で入れて投資資金が一気に増大すると、気持ち的な許容範囲を超えてしまいがちです。
(例えば既に運用資金が300万円、追加で投資に回せる現金余力が100万円あった場合、
100万円を一括投資すると運用資金は一気に400万円と1.3倍以上になる。)
特に、ある程度の手元資金があってどのように投資しているか迷っているのは、
投資経験が短い方が多いはず。
投資経験が浅いと、資産が変動すること自体にもまだ慣れず、
1日に何万円、何十万円と資産額が変動するのに耐えられない場合も多いはずです。
この点を考えると、特に投資経験が浅い方は運用に回せる資金を一括で投下するのは、
メンタルが持たずにその後の投資行動・投資方針がブレてしまうリスクがあるので、
分割投資で値動きに慣れながら運用資産を増やしていくのが賢明な判断といえるでしょう。
まとめ
今回は一括投資と分割投資について、色々と理屈をこねながら気持ちの問題から考えてみました。
合理的に考えると一括投資に軍配が上がるかも、といういう一方、
一括投資で気持ち的に資産の上下動に耐えられない水準の資金を運用にまわしてしまうことで、
結果として不安にかられて拙速な損切りやポートフォリオの組み換えなどをしてしまうのは
トータルでみて損な行動になってしまいます。
絶対にコッチ!というきれいな線引きは難しいかと思いますが、
投資初心者がこれまで貯めてきた現金を運用に回す場合、
・何割かを始めに一括投資、その後は積立投資の資金を高めに設定して少しずつ運用に回していく
・運用に回す資金を数回に分けて投資に回す。その後は毎月の余剰資金を積立投資で運用に回す
などの方法が良いのかもしれません。
ちなみに筆者の場合は、投資を始めて約1年、ここまではこんな流れで資産を運用にまわしてきました。
・最初は毎月の積立額を高めに設定して少しずつ現金比率を下げていく方針をとった
・途中で(なかなか現金比率が下がらないので)、一括で運用に回した
・ある程度の資金を運用に回したので、その後は積立を続けながらスポットで一括投資して運用に回していく予定
今回の記事が、一括投資と分割投資で迷っている方の参考になれば嬉しいです。
それでは! Adiós!!
リカルド
都内在住ギリ20代の会社員。社会人1年目、ほぼ貯蓄ゼロから家計管理を始め、5年目で1,000万円の資産形成に成功。学び、資産形成の過程で気づいたことを自分なりの視点で考察して発信します。資産形成を頑張る皆さんと経験や疑問、考える視点を共有したい。自称ガジェットオタ歴10年以上。好きなものはガジェットと旅行(海外18カ国、国内43都道府県)、サッカー。
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