2022年に入り、株式相場は下落が続いています。
2021年12月31日の終値から見た2022年3月4日終値時点の状況は、
米国のS&P500指数が-9.18%
NASDAQ総合指数は-14.9%
既に含み損を抱えてさらに拡大している、
今までたっぷりあった含み益がみるみる減ってきて辛い、
SNSでもそういった投稿を見かけることが増えてきました。
あと、そもそも投資関連のツイートが減ってきている印象。
そんな中でふと、適切なリスクを保って資産運用するために感情をコントロールするポイントって何だろう?と思いましたので、それについて考えてみました。
2020年のコロナショック以降、世界的な金融緩和の中で株式相場は右肩上がりに上がり続け、日本でも投資人口が増えたといいます。
特に下の図からは25〜29歳のいわゆる若年層の投資割合が2019〜2021年の間に大きく上がっていることがわかります。
・年齢階層別の投資を行っている人の割合
(出典:NRI「生活者1万人アンケート調査」(2019〜2021年)
※図のエラーバーは95%信頼区間)
筆者も2020年から投資を始めましたのでその1人な訳ですが、直近2年間で投資を始めた人にとって、2022年に入ってからの相場は経験としては初めてのものになったはずです。
投資を始めてから増え続けていた含み益が年初の2ヶ月ですべて吹き飛んだというケースもあるでしょう。
また、昨年、特に下半期辺りからTwitter上で個人投資家から大変に注目を集めていたレバレッジETF・投資信託は原指数以上の下落をしていますが、SNSでもそのような投資法を礼賛するような盛り上がりが消え、空気感が大きく転換したことを感じさせます。
コロナショック後の金融緩和もあり2020年〜2021年は下落を知らない右肩上がりの相場でしたから、そうした空前の好調な相場が一転する中で、
「下落幅に耐えられない」
「売ってしまいたいけれど損切りする勇気もない。ひたすら耐えるしか…」
というように突然の下落、初めての相場状況にソワソワしてしまっているケースもあるのではないでしょうか。
そんな時によく言われるのが
「投資はリスク許容度の範囲内で」という言葉。
こうした下落が当然にしてありえるわけだから下落が来ても耐えられるくらいの資産規模で投資はするべき、というものですが、とはいえ、じゃあリスク許容度ってどのくらい?ということに答えはありません。
それを導くための数式があるわけでもなければ誰かに教えてもらえるわけでもなく、自分自身と相談して決めるしかないわけです。
そうは言っても株式相場が上昇している時に現金を多めに持っていたらすごく損した気持ちになるのは人間の性だと思うので、この気持ちと上手く織り合いをつけないといけません。
実際、2020年、2021年は現金を抱えていたりディフェンシブ銘柄に投資しているのは悪手と考えてしまうのも仕方のない相場状況だったと思います。
改めて「リスク許容度の範囲内で」投資をするとはどういうことだろうか、
強欲になりすぎないで資産配分をコントロールするにはどうしたらよいだろうか、
と考えて見た時に1つのポイントになってくるのかなと思ったのは
「資産を増やす」というよりは投資の鉄則である「分散」によって「資産を守る」という防御の発想。
もちろん投資ですからお金を増やす手段な訳ですが、「資産を増やす」視点が強すぎると波に乗り遅れることを恐れるあまり、知らず知らずのうちに投資へ振り向ける資産を増やしすぎる、より高いリターンを求めて投資方針がブレる、ということがあるのではないか、と思うのです。
「資産」といっても現金や株式、コモディティや債券、不動産など色々あります。
そしてそれぞれ、価値が上下する「リスク」をはらんでいます。
株式は、日々数%という幅でその価値が上下しますし、債券やコモディティもしかり。
日本では銀行預金が絶対安全と信じられがちですが、現金もインフレによって価値が下がるリスクがあります。
(当然、デフレによって価値が上がることもある)
日本では「円」が通貨ですから、あらゆるものの価値の指標として円に換算した数値が使われていて、ある種「基軸資産」的なものですので、現金でもつ資産の「円」の額面が変わらなければ安全という感覚になるのは一理ありますが、実態としてその価値は上下するものです。
要は、資産はどのような形で保有しようとも、その上下の仕方や幅こそ違えど相対的価値は変わるというリスクをはらんでいます。
どの資産を持っていても価値は上がるかもしれないし下がるかもしれない、それにどの資産がいつ・どのくらい上がるかは不確実。
ということであれば「ある程度バランス良く資産を分散させておくのが一番いいのではないか?」という発想もできるよね、ということです。
もちろんやたらに資産を分散して置いておけば良いかというとそうでもなく、それが資産運用の難しさなのですが、少なくとも今回書いたような視点を持っておけば、相場環境が良い時とはいえ株式全ツッパに心が急かされることはなくなりそうだと思いました。
投資の神様、ウォーレン・バフェットの言葉に
「ルール1、損をしないこと。ルール2、ルール1を忘れないこと」
というのがありますが、「増やす」ことだけではなく「減らさない」ことを意識するのは投資において大変重要だということですね。
先行きの不透明感がまだまだあってボラティリティも高い相場が続いています。
人生まだまだこれから、資産運用もまだまだこれから。
長い目でみて、細くても長く続く資産運用をしていきたいものです。
それでは今回はこの辺で。
Adiós!!
リカルド
都内在住ギリ20代の会社員。社会人1年目、ほぼ貯蓄ゼロから家計管理を始め、5年目で1,000万円の資産形成に成功。学び、資産形成の過程で気づいたことを自分なりの視点で考察して発信します。資産形成を頑張る皆さんと経験や疑問、考える視点を共有したい。自称ガジェットオタ歴10年以上。好きなものはガジェットと旅行(海外18カ国、国内43都道府県)、サッカー。
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